オリジナルの方法で、オリジナルのプロモーションビデオを

ヨッ者ー!|野田満

やっぱり今は、動画の時代やな。

−そんな太田さんの一言から、このプロジェクトは始まりました。

今回は、首都大学東京(現・東京都立大学)の有志チームが取り組んだ、「淡路島ロングトレイル構想(ALT:Awaji Long Trail)」のPRと竹原集落の魅力発信を兼ね備えた、プロモーションビデオ(PV)の制作についてご紹介します。

PVの内容よりも「PVを作る過程」を大事にしたい。それが観光と地域づくりを専門とする首都大チームが、最初に考えたことでした。

自分たちだけでPVを作って納品するという普通の方法ではなく、集落の皆様と力を合わせてPVを作る、本当の意味での域学連携のプロセスを具現化できないか…そうして出来上がったのが、48枚の「シナリオタグ」と76枚の「カットカード」です。

シナリオタグは「大学生男性」や「犬・動物」、「スローテンポ」といったような、PVのざっくりとしたイメージの選択肢を羅列したタグです。カットカードは「住民の方が農作業をしている」「水の音や鳥の声を聞きながらトレイルを歩いている」のような、PVの具体的な場面(カット)の選択肢を羅列したカードです。

住民の方と首都大チーム、そして過去のトレイルに参加したゲストの方々で、シナリオタグとカットカードを使ったワークショップを実施しました。参加者はそれぞれ気に入ったシナリオタグやカットカードに自由に投票をします。得票数が多かったシナリオタグを集約したものがPVのコンセプトや台本のベースになります。同じく得票数が多かったカットカードを並び替えながらPVの絵コンテのベースを作ります。このようにして、参加者それぞれが抱く竹原への思いを共有しながら、PVの内容が少しずつ固まっていきました。

その後も関係者全員による撮影、編集を経て、PVが完成しました。

学生や住民のみならず、役場や地域おこし協力隊の皆様も出演しているこのPVは、翌年の洲本市域学連携シンポジウムで初公開。アンケートでは概ね高評価を頂きました。現在もYouTubeで公開されていますので、お気軽にご覧下さい。大味な構成ながら、知る人ぞ知る、細かな工夫が散りばめられています。

そしてPVの他にもう一つ、首都大チームから集落へのプレゼントがありました。それはカットカードを流用した「竹原UNO」。ALT関係者をモチーフにしたオリジナルの妨害系カードも有り、一味違った楽しみ方ができます。

淡路島ロングトレイル構想PV(YouTube)

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ヨッ者ー!

野田満

地域・所属
さんそデザイン共同代表/近畿大学総合社会学部講師(農村計画・地域デザイン研究室)
秘めたる思い
早め早めに、次世代にタスキを渡したい

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