僕は大阪の茨木っていう街で育ったもんで、都会の暮らしが普通でした。だから大学の活動で洲本に初めて来たとき、地元の方からお聞きした洲本の課題を聞いて、正直驚きました。こういういう課題を、島外から来た人の立場ではなく、もっと洲本の力で長所に変えていかれへんか。そんなことを友人と一晩中話し合いました。
その中で生まれたアイデアが、地元の高校生初のビジネスです。ビジネスって言っても、単にお金儲けの手段ではなくて、地元の課題を解決し、その対価をとしてお金を得る、いわば社会起業家になってもらうということです。地元の高校生の素直な頭と大きい行動力で、近所の人の力を借りながら課題に取り組めば、絶対何か面白いものができる。僕ら京都の大学生は、そのお手伝いをするんやと、心に決めました。
このアイデアを洲本市役所の方にお話しすると、「おもろいやん!」ととても好意的に受け取っていただけました。それからは、とにかく初めての連続でした。大学生を集めて、地元の方のお話を聞いて、市役所の方に指導いただきながら高校に説明にまわって。いろんなわからんこともあり、ご迷惑もおかけしましたが、市役所の方や市民の方にやさしくいろいろ教えていただきながら、なんとか高校生の方を実際にお呼びして、彼らと事業を創れることになりました。
さて実際に高校生の皆さんとビジネスを考えると、出てくる出てくる。さすがは地元の高校生だけあって、僕らが全然思いつきもしないようなことを考えてくれるんです。最終的に彼らの事業案は全国の高校生のビジネスプランを競う大会で、4000チーム中100番以内のすごい賞をいただけることになりました。
僕はこの事業を通して、洲本の高校生の実力を見せつけられました。これからも、彼らのような洲本の高校生が輝ける場がいっぱいできたらいいなと思います。