「ついどはん」は京都工芸繊維大学が洲本で一番最初に取り組んだプロジェクト。これがきっかけで洲本でいろいろ活動していくことになってん。
僕らの大学の研究室ではもともと、古くなった建物に新しい魅力を発見して、面白く生まれ変わらせる「リノベーション」の研究に取り組んでてん。
いま日本中で人の管理が行き届かへん放置された空き家がたくさん増えてて、それがいろんなところで問題になってるねんけど、洲本でもそれは深刻で…。
実はもともと「ついどはん」も30年以上も空き家のまま放置されてて、でもどうしてももったいないからということで持ち主の方から洲本市さんに建物の寄付があったんやけど、建物をどうやって活用していけばいいのかわからへんと。
そんな中で市役所の高橋さんからうちの研究室にもその話が耳に入って、うちではリノベーションの研究してるし、『よっしゃー!やったろ!』っていうことで一緒に面白いことができへんか考え始めてん!
築100年を超える立派な古民家、今の建物では滅多に見られへん昔の大工さんの職人技や、立派な丸太の梁組、長い年月を経て味の出た木の風合い…。建築学生の僕らにとってはもうとにかく魅力的で、これはやるしかない。
自分たちで調査して、活用方法を考えて、自分たちで手を動かして作り上げる。最初から最後まで学生主体で進めたこのプロジェクトは、たいへんなこともたくさんあったけど、それだけ魂のこもったものになったはず!
職人さんに教えてもらいながら土壁を塗ったり、板張りの壁を作ったりできたのは本当に楽しかったし、いい経験になったなぁ。
「ついどはん」のある五色町は海と夕日がとてもきれいで、田んぼの風景が広がってとってものびのびしてて、魚もお米もおいしくて、とってもいいところ。新しく作ったついどはんのウッドデッキで寝転んだらほんまに風が気持ちよくて、時間の流れがゆっくりになっていい感じ!ここはみんなのお気に入りの場所です。
僕らはこの「ついどはん」に泊まりながら、学生時代はずっと洲本で活動に取り組んできたけど、ここをきっかけに色んな人たちに出会って、たくさん楽しいことして、今ではほんとに洲本を第2の故郷みたいに感じてる。
これからも「ついどはん」を拠点に、洲本の魅力をみんなに伝えていけたらなと思う。