2012年に日本でも固定価格買取制度(FIT)がスタートして、これをきっかけに全国でメガソーラー事業が広がりました。日本全体でみれば、再生可能エネルギーの普及が進みました。しかし地域に目を転じて、これらの事業が地域活性化に役立っているかと考えると、必ずしもそうではありません。
洲本市の高橋さんから「農業用ため池で再エネ事業をしたい」と相談されて、売電収益を地域に還元できる事業モデルを龍谷大学LORCで研究しました。その成果を実装したのが「塔下新池ため池ソーラー発電所」と「龍谷フロートソーラーパーク洲本」です。
洲本には多くのため池がありますが、農業の後継者不足で維持管理が深刻な問題になっています。将来の改修工事に備えて資金も必要です。そこでわたし達は、農業にため池を使いながら、同時に、再生可能エネルギーを生み出す価値を加えられないかと考えました。
洲本市や田主の方々、そして龍谷大学に協力いただき、ため池のうえにソーラーパネルを浮かべるフロートソーラー発電所を稼働させました。工事や竣工式には洲本プロジェクトの学生も参加しました。塔下新池では、田主と学生による活動が始まっています。
市内2カ所にある発電所の売電収益は「洲本未来づくり基金」を通して、地域と大学の活動や新しい価値をうみだすプロジェクトに助成される準備をすすめています。