【特集論考2/3】淡路島の歴史とトレイル~その過去・現在・未来を探る~(淡路の歴史、海人族をルーツにもつ淡路人)

 「古事記の冒頭」を飾る国生み神話の島、淡路島は、2016 年淡路島の古代国家を支えた海人(あま)の営みが代表的な 31 の文化財とともに文化庁から「日本遺産」に認定された。これは従来の国宝やユネスコの世界遺産とは全く異なり、歴史的な魅力やユニークな特色を一つの「ストーリー」と共に伝えていくところにある。
 近畿地方を扇に例えると、淡路島はその要(かなめ)に位置する。淡路島を訪れる人々は各地で「おのころ島」伝承を聴くことができる。日本書紀によれば、「イザナギ・イザナミ男女二柱の神が天の浮橋に立って鉾で海の水をかき回し、その鉾先から滴り落ちる潮が凝り固まって「おのころ島」となった。そこに下って結婚した二柱の神は最初に淡路島を、続いて次々と大八州(おおやしま)を生んだ。すべての神業をすませたイザナギの大神は、幽宮(かくりみや)を造り永遠に隠れてしまわれた。」それが伊弉諾神宮(イザナギジングウ)の起源という。

 数千年ほど前、巧みな航海術で大陸から最新の技術やニュースを持ち込むだけでなく、淡路島で作られた食材や鉄器などを島外に運んでいた「海人族」(あまぞく)という民がいた。明石海峡方面に活躍する海人族は「野島の海人」と呼ばれ、鳴門海峡方面に活躍する海人族は「御原(みはら)の海人」と呼んだ。彼らは宮廷に海の幸のみならず宍(しし)という鹿・猪の肉など、島の山の幸を貢進した。
 淡路島は当時、朝廷からも、海外からも大切な場所として一目を置かれる存在で、「御食国(みけつくに)」と呼ばれた。

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2021.02.19

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2021.02.19

【特集論考3/3】淡路島の歴史とトレイル~その過去・現在・未来を探る~(なぜ淡路島でロングトレイルプロジェクトを推進するのか?)

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